フィリピン大使館(東京)・フィリピン領事館(大阪)の領事認証(レッドリボン認証)とは

日本からフィリピンに書類の提出を求められた際に、東京のフィリピン大使館や在大阪フィリピン領事館の領事認証が必要、といわれることがあります。

フィリピン側からの英文の指示書に「OO with Red ribbon)」等と書いてきたりします。

このフィリピン大使館・領事館の領事認証とは、日本国内で発行された公文書または公文書に準ずる重要な書類が、正式な手続きを経て発行されたものであることを、フィリピン大使館(フィリピン領事館)の領事が証明することです。

具体的には、書類を提出した後で、対象書類の表紙にフィリピン領事の署名が入った認証文が添付され、赤いリボンが巻かれます。このため、フィリピン大使館の認証は「レッドリボン」と呼ばれることもあります。

この認証文が添付されることにより、フィリピン国内で正式な文書として使用することができるようになります。

ちなみに東京にあるのがフィリピン大使館で、大阪にはフィリピン領事館があります。

なお、フィリピンは2019年にハーグ条約に加盟し、外務省でアポスティーユ取得が可能になったため、領事認証が必要な機会は大幅に少なくなっています。

フィリピン大使館・領事館の領事認証はなぜ必要か

では、日本外務省のアポスティーユやフィリピン大使館・領事館の領事認証はなぜ必要なのでしょうか。

これは、日本を含め、フィリピン国外で発行された公的証明書が本物なのか、フィリピンでは判断が困難だからです。

そのため、日本外務省や在大阪フィリピン領事館・在東京フィリピン大使館が認証することが必要になるのです。

領事認証の取得手続きは、下記の通り、複数の役所等に出向く必要があり、また、申請後すぐに書類を受け取ることが出来ない機関もあるため、大変な労力と時間を要します。特に、フィリピン人の方はこのような事務手続きが苦手な方が多いですから、一般にはこれをフィリピン人だけで行うことは難しいように思います。

フィリピン領事館、大使館の認証には外務省での「公印確認」が必要!

法人登記簿謄本や戸籍謄本等の公文書に対し、直接フィリピン大使館の領事認証を取得する場合は、事前に外務省で「公印確認」を取得する必要があります。

公印確認とは、市役所や法務局等の役所で発行された公文書に押された印鑑が公式のものであることを、外務省によって証明してもらうものです。

この公印確認は東京または大阪の外務省にて証明をしてもらいますが、当日には証明してもらえず、翌営業日以降に窓口に取りに行くか、郵送してもらう必要があります。

私文書の場合は公証役場での「公証人認証」が必要!

1.公証人認証とは

公証人認証とは、多くの場合、私文書等にされた署名が、署名者本人のものであることを証明してもらうものです。

そして、認証された文書には公証人による認証文が添付され、そこに公証人の署名・押印がなされます。

公証人の認証が必要な場合は、例えば以下のような場合です。

①委任状、遺産分割協議書等の私文書

②登記簿謄本や戸籍謄本の公文書で翻訳文を添付する必要がある場合

このような場合、事前に公証役場での「公証人認証」及び法務局での「公証人押印証明」を取得する必要があり、その後外務省アポスティーユを取得します。

2.公証人押印証明とは

公証人押印証明とは、上記の公証人の押印が公証人によるものであることを(地方)法務局長が証明するものです。

この公証人押印証明がなされた私文書は、その後の手続きにおいて公文書に準ずるものとして扱われます。

これらの手続きが完了した後、外務省でアポスティーユを取得するか、外務省での公印確認を取得し、フィリピン領事館、大使館の認証を行います。

公証人認証及び公証人押印証明は通常当日に発行してもらえますが、一部の例外を除き、原則として三箇所の役所等を回らなければなりません。

ですので、平日お仕事をされている方にとっては、なかなかハードルが高い手続きかと思われます。

フィリピン領事館、フィリピン大使館での領事認証手続きの注意点

外務省の公印確認の取得手続きが完了したら、いよいよフィリピン大使館やフィリピン領事館での手続きとなります。

まず、フィリピン大使館では受付時間が決まっているということです。
フィリピン大使館や領事館の受付は、平日のみです。

ただし、日本の祝祭日の他、フィリピンの祝祭日にあたる場合は、休館となりますので併せてチェックする必要があります。

そして、必要書類等を準備し、大阪のフィリピン領事館か東京のフィリピン大使館に出向いて申請をする流れとなります。

大阪のフィリピン領事館の手続きでは、時期によりますが、順番待ちで1~2時間待たされることもあります。時間には充分余裕を持っておく必要があります。また、午前中の方が比較的空いていることが多いです。

また、たまに大阪のフィリピン領事館の周りに怪しげな代行業者がうろうろしていて様々な勧誘をしてくることがありますが、無視することが賢明です。

なお、申請当日には認証を受けることができません。

認証後の書類は、5営業日後に再度受け取りに行くか、レターパックによる受け取りを選択します。(レターパックの場合、5営業日以降に発送されます。)

なお、申請には費用が掛かります。
1部当り3,250円ですが、為替レートにより改定となる場合もありますので注意が必要です。

在大阪フィリピン領事館で認証可能な書類

法人登記簿謄本、戸籍謄本、除籍謄本、住民票、委任状、雇用契約書等。

法人登記簿謄本は、フィリピンでの子会社設立の場合等に使われます。

委任状(Special Power of Attorney、特別委任状)は例えば相続手続きや弁護士への委任が必要な場合、フィリピンで現地業者に出生証明書や結婚証明書の取得依頼をする時に使われます。

雇用契約書(Certificate of Employment)はフィリピンに最入国する際に必要となったり、POLO(Philippine Overseas Labor Office)に提出したりすることがあります。

当事務所のサービス

当事務所では、公的書類の英訳はもちろん、フィリピン領事館への認証代行までワンストップで行っております。

在東京フィリピン大使館、在大阪フィリピン領事館双方に対応します。

法人登記簿謄本、戸籍謄本、除籍謄本、住民票、委任状等の翻訳や認証についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

1.アポスティーユ取得代行サービス:1万円+税

(※外務省手数料は無料です)

2.フィリピン領事館認証代行サービス:3万円(税別)

(※フィリピン領事館手数料:1通3250円)