フィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請
フィリピン人は従前より興行ビザ(いわゆるタレントビザ)で日本に滞在しているケースが少なくありません。
そして、日本人と知り合い、恋に落ちて、結婚することになった場合、興行ビザから配偶者ビザへ変更することは可能なのでしょうか。
興行ビザから配偶者ビザへの変更はそもそも可能?
まず、そもそも興行ビザから配偶者ビザへの変更申請はそもそも可能なのでしょうか?
答えはYESです。
つまり、フィリピン人の方の在留資格変更許可申請を行い、許可が出れば興行ビザから配偶者ビザに変更することができます。
興行ビザから配偶者ビザへの変更は難しい
しかし、興行ビザから配偶者ビザに変更する申請ができることと許可されることは別です。
実務上は、興行ビザで日本に滞在しているフィリピン人が興行ビザから配偶者ビザへ変更するには、審査が厳しく、許可が簡単には下りず、不許可になることも多いのが現状です。
フィリピン人と結婚予定の当事者からすると、本当に愛し合って結婚するのになぜビザを変更するのが難しいの?と思うかもしれません。
これには以下のような理由があるのです。
まず、興行ビザの期限が切れそうになった時に日本人と偽装結婚して日本に在留するケースもあるため、日本人との結婚が、日本に在留するための偽装結婚なのではないかと疑われる可能性が非常に高いです。
確かに、当事者としては出会ってからデートを重ね、恋愛し、結婚に至ったわけですから、偽装結婚ではないか疑われること自体、おかしいと思われるかもしれません。
しかし、実際に過去のケースで少なからずそのような案件があったからこそ、入管としては非常に厳しく審査が行われているのです。
興行ビザから配偶者ビザへの変更が難しい主な理由
1.過去に身分詐称をしている
初めての来日時に経歴や年齢、婚姻歴等を偽っているケースがあります。ひどい場合は、偽物の出生証明書を後から偽造し、二重登録になっているケースもあります。このような事実がビザ申請時に発覚することがあります。
2.過去に不法滞在や、不法就労、もしくは虚偽申請をしてビザを取得している
興行ビザの方の場合、過去に不法就労、不法滞在や、もしくは虚偽の申請をして在留資格を得たことがあるケースがあります。このような事実がビザ申請時に発覚することがあります。
3.偽装結婚の疑いがある
日本のビザは基本的に就労できる範囲が決まっています。興行ビザも同様で、興行ビザで滞在している場合は興行ビザで認められる範囲でしか就労することができません。
しかし、最初はダンサーとして興行ビザで来日した場合でも、日本に滞在中、気が変わり、転職して別の職業に就きたい、副業やダブルワークでもっとお金を稼ぎたいと考えるようになることもあります。その場合、何とか就労制限のないビザに変更したいと考えることでしょう。
ところが、技術人文国際ビザ等の就労ビザは実務経験や学歴要件が厳しく、興行ビザのフィリピン人にとってはハードルが高いものに感じられることが多いです。
一方で、特に専門的技術や知識、または実務経験がなくても手に入る在留資格は、日本人と結婚すると許可になりやすい配偶者ビザになります。
そのため、中には偽装結婚をして配偶者ビザを取ろうとするケースがどうしても出てきてしまいます。
入管でも、過去にそのようなケースを時々見聞きしていますので、興行ビザから配偶者ビザへの変更申請をすると、偽装結婚しているのではないかと疑われる可能性が高いため、審査が厳しくなるのです。特に、在留期限が近いケースで交際歴が短いようなケースは、入管の審査官が偽装結婚を強く疑っていると思った方がいいかと思います。
4.フィリピン人妻と日本人夫の年齢差が大きい場合が多い
興行ビザのフィリピン人妻は一般に年齢が若く、日本人夫が年上の事例が多いです。確かに、年齢差が大きい結婚=偽装結婚ではないのは当然です。
しかし、配偶者ビザに関しては、年齢差が大きい場合は本当に結婚生活を送るつもりがないだろうと偽装結婚を疑われる傾向にあり、不許可になりやすくなる傾向にあります。
フィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請はやめたほうがいいのか?
上記のような厳しい話をすると、「フィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請はやめたほうがいいのか?」と思われるかもしれません。
しかし、本当に相手のことが好きで、結婚して日本で暮らしたいのであれば、チャレンジするしかありません。
そのためには、写真やSNSでのやり取り等、交際をしている証拠をたくさん出したり、安定して日本で生活していける収入があること等をしっかりと証明する必要があります。
このような証拠の積み重ねにより、偽装結婚でないと客観的に証明できて初めてフィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請が許可されることになるのです。
フィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請は行政書士へ
上記のような説明を受けても、「自分のケースの場合、許可されるのだろうか?」とか、「具体的な資料をどのようにそろえて説明したらよいかわからない」という方は少なくないと思います。
でも、ご安心ください。当事務所は、20年近くにわたり、フィリピン人の国際結婚やビザ申請を専門に行っている行政書士事務所です。
当事務所にご依頼の場合、難しい申請でも、自分で申請するより、許可の可能性を高くすることが可能です。
フィリピン人の興行ビザから配偶者ビザへの変更申請でお悩みの方は、一人で悩まず、お気軽にフィリピン専門の行政書士に問い合わせください。