フィリピン人の観光ビザ申請の概要

在留資格「短期滞在」(短期ビザ、短期滞在ビザ、短期商用ビザや短期訪問ビザともいう)は、一般に「観光ビザ」や「商用ビザ」と呼ばれます。

観光ビザや商用ビザで来日する場合の日本での活動としては、「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」が該当します。
まとめると、フィリピン人の在留資格「短期滞在」(観光ビザ等)取得のための条件は次の二つであるといえます。

 
①活動が本邦に短期間滞在して行うものであること。

②「観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」のいずれかに該当する活動を行うこと。

 
以下、それぞれの条件について解説いたします。

 

 

1.活動が本邦に短期間滞在して行うものであること。

ここでは、観光ビザの「短期間」とはどのくらいの期間をいうのかが問題になります。

この点、フィリピン人の在留資格「短期滞在」(短期ビザ、短期滞在ビザ、短期商用ビザや短期訪問ビザともいう)の在留期間は、90日、30日又は15日のいずれかと規定されております。
個々の滞在期間がたとえ90日、30日又は15日以内であっても、1年の過半を日本に滞在することとなる場合、原則として、この条件の関係から、在留資格該当性が認められないと解されています。

そのため、フィリピン人が観光ビザで来日→帰国を繰り返すと入国拒否の対象となるケースがかなりあります。

このような場合は、就労ビザ等何か長期で日本に滞在できるビザを検討する必要があるでしょう。
また、フィリピン人が観光ビザで来日し、「収入を伴う事業を運営する活動」及び「報酬を受ける活動」は、たとえ「短期間」であっても、「短期滞在」で許される活動には該当しないとされています。

したがって、例えば、観光ビザで来日し、日本の知人、友人の会社で短期間アルバイトをすることやキャバクラやスナックで1か月だけ働く等は入管法違反となります。

 

 

2.「観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」のいずれかに該当する活動を行うこと。

フィリピン人が短期ビザで来日する場合、下記1)から9)の活動が「短期滞在」に該当するとされています。
1)「観光」及び「その類似活動」

例)フィリピン人の観光、娯楽、参詣、通過の目的での滞在

 
2)「保養」及び「その類似活動」

例)フィリピン人の保養、病気治療の目的での滞在

 
3)「スポーツ」及び「その類似活動」

例)フィリピン人の競技会、コンテスト等へのアマチュアとしての参加

 

 

4)「親族の訪問」及び「その類似活動」

例フィリピン人の)友人、知人、親族等の訪問、親善訪問、冠婚葬祭等への出席

 

5)「見学」及び「その類似活動」

例)見学、視察等の目的での滞在

 

6)「講習への参加」及び「その類似活動」

例)教育機関、企業等の行う講習、説明会等への参加、報酬を受けないで行う講義、講演等

 

ここで注意が必要なのは、通常、「短期滞在」で在留する者が「報酬を受ける活動」を行うと資格外活動に当たります(入管法19条1項2号)。

しかし、入管法によれば、「報酬」から「業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他法務省令で定めるものを除く」と規定しています。

 

 

7)「会合への参加」及び「その類似活動」

例)会議その他会合への参加

 

 

8)「業務連絡」及び「その類似活動」

例)本邦に出張して行う業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査その他いわゆる短期商用

本邦企業と外国の企業との共同開発、外国の企業によるアフターサービス等外国の企業の業務執行のための活動を行う目的で日本に滞在する場合は、当該業務が 当該外国の企業の外国における業務の一環として行われるものであることが必要とされています。

 

 

9)その他法的位置づけは不明であるものの入管審査の運用上認められている活動

 

①報道、取材等我が国を訪れる国賓等、スポーツ選手等に同行して行う取材活動等のうち一時的用務

②本邦の大学等の受験、外国法事務弁護士となるための承認を受ける等の手続

③本邦の大学又は本邦の専修学校を卒業した留学生が、卒業前から引続き行っている就職活動を卒業後に継続して行う活動

④その他本邦において収入を伴う事業を運営し又は報酬を得る活動をすることのない短期間の滞在

 

フィリピン人の観光ビザ申請の必要書類(参考・個別のケースによります)

 

1.観光ビザ申請書

2.写真(4.5cm×4.5cm)

3.旅券(パスポート)

4.招へい理由書

5.身元保証書

6.滞在予定表

7.身元保証人について必要な書類(招へい人と同一人でも可)

i.住民票(外国人の場合は、住民票の代わりに外国人登録原票記載事項証明書)

ii.在職証明書等職業を証明する書類

iii.市区町村長発行の直近の課税(または納税)証明書・税務署発行の納税証明書(様式その2)または税務署受理印のある確定申告書控の写し(いずれも総所得額が記載されている書類。)

8.申請人と招へい人の関係を証明する資料 例えば、スナップ写真・手紙・メール・招へい人の旅券のコピーなどがこれにあたります。

9.招へい人について必要な書類(身元保証人と同一人でない場合)

i.日本人の場合:住民票(全部事項証明) 外国人の場合:外国人登録原票記載事項証明書

ii.職業があれば上記7のiとii

10.来日理由を立証する資料 例えば結婚式の招待状などを添付します。

11.その他(場合に応じて添付)

※注:これらの書類は「最低限の必要書類」であり、上記書類を提出すれば短期滞在ビザが許可されるということではありません。特に、フィリピンで旅行中に出会い、交際を始めたフィリピン人女性の招聘のケースについては厳しい審査がなされ、短期ビザの申請後、多くの方が不許可になっています。短期滞在ビザ取得に必要な書類、立証資料はケースにより異なり、許可のためには何が必要かを自分で考えて申請者の側で立証する必要がありますのでご注意下さい。

また、短期ビザが不発給になりますと、原則、6ヶ月間は同一の査証申請が出来なくなりますので、不許可になると相当痛いです。不許可になってから後悔しないよう、申請書類は細心の注意を払い、行政書士等の専門家に相談する等して、しっかりとした内容のものを作成するようにしましょう。  

 

観光ビザ・申請書類作成費用(標準報酬・税別)

  1、短期滞在ビザ申請書類(招へい理由書)作成代行コース(全国対応): ¥30,000~

・短期滞在ビザの申請においては、招へい理由と裏づけ資料の収集、提出が非常に重要なポイントとなります。 そこで、当事務所がしっかりとした理由書作りを行います。

2、短期滞在ビザ更新・延長代行コース:¥30,000〜¥50,000

  特別な理由があれば、短期滞在ビザの更新・延長が例外的に認められることがあります。 そこで、当事務所がしっかりとした書類作成、立証資料の収集をサポートいたします。

 

※フィリピンの方の短期ビザの相談は30分5400円となります。ただし業務ご依頼の場合は相談料はかかりません。