フィリピン在住の方の日本戸籍への就籍申立が起こる背景

明治以降、日本政府は移民を盛んに勧め、フィリピンには3万人を超える日本人移民がいました。そして、多くはフィリピン人と結婚し家族をもうけ、現地社会にとけ込んで生活していました。

しかし、その後の第二次世界大戦の勃発により、日本人社会は日本軍への協力を余儀なくされ、アメリカ軍やフィリピンゲリラと戦うことになりました。そして日本軍は敗走し、混乱の中、日本人民間人も死亡したり、捕虜収容所行きとなったりし、後に日本へ強制送還されたのです。こうして日本人の血をひく子ども達がフィリピンに置き去りにされることになりました。戦後彼らは、日本軍の残虐行為の報復の対象となったため、日本人の血をひくことを隠し、証拠も捨てて暮らすしかなく、社会的地位が低く、生活も貧しい者が多いのが現状です。

しかし、このような方は、本来は日本国籍を有することとなります。すなわち、まず、当時施行されていた国籍法(明治32年3月16日法律第66号「旧国籍法」)の一条によれば、日本人の父より生まれた子は、日本国籍を持てることになっていました。そのため、出生の際、両親が婚姻しており、法律上の父子関係が生じていれば、日本国籍を取得していました。

ただ、このようなフィリピン在住の方は、長く日本人であることを隠しフィリピン人として生活してきたため、父親との身分関係を証明するものがなく、日本国籍かどうかを確認することができませんでした。

そのため、本来は日本人でありながら日本国籍があるとは認められず、日本戸籍がないという状況を甘受するしかなかったのです。

 

フィリピンにいる日系2世、3世の就籍申立の意義

もしこのようなフィリピンの日系2世、3世が日本国籍を認めてもらいたいという希望があるにもかかわらず、日本国籍が認められないとするならば、人道上問題であるといわざるをえません。

ただ、このような方に日本国籍が認められるのは簡単ではありません。日本の戸籍法によれば、本籍が不明な場合に日本の戸籍に就籍するには、家庭裁判所の許可を得ることが必要です。

そこで、当事務所では、日本の渉外身分関係訴訟に強い弁護士、及びフィリピン現地の弁護士と共同で、彼らの身元判明のための調査を行っています。

家庭裁判所はなかなか簡単には就籍を認めませんので、日本戸籍への就籍手続きは非常に難しい手続きのひとつですが、就籍を希望される方は、是非一度ご相談ください。

 

フィリピン在住の方の日本戸籍への就籍申立のご相談は・・・・・

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